八戸の鯖~谷口板長のこだわりの逸品

八戸の鯖

虎鯖ものがたり

虎鯖

虎鯖とは

それまでは「谷口板長の〆鯖刺し」としていた商品名を、2008年11月に
1.鯖の背中が虎模様であること
2.谷口板長の〆鯖は市販されている〆鯖とは味が全く異なること
3.添加物を使っていないこと

という理由から、「虎鯖」としました。

虎鯖の"虎模様"

日本の鯖は背中の模様が唐草模様のようにはっきりとした縦縞ではありません。それとは別に、ノルウェー産は綺麗な縦縞模様です。でも虎の模様には変わりありません。
八戸の秋は真鯖やお腹に斑点模様がつくゴマ鯖が海を回遊して戻ってきます。これを秋サバの名で日本の文化として存在しています。

「虎鯖」は八戸では「まだ脂のない小物の鯖」「鮮度が落ちた鯖」で美味しくないと言う意味で昔は表現されていました。今では死語になりました。
でも谷口板長はあえてこの「虎鯖」の名を着けました。
それは八戸に昔あった名称です。死語になった今は「美味しい八戸の鯖」の代名詞にしようと思ったからです。

「脂のない鯖」と聞いて育ちました。小さな時期の鯖はまだ背中の模様がはっきりしていて、大きくなるにつれ脂が乗るにつれて、背中の模様は散って薄くなります。

小さな虎鯖が大きくなって八戸に帰ってきたのだから、強い美味しい「虎鯖」の名を付けてあげたい、谷口板長のそんな気持ちで名付けられました。

虎鯖

虎鯖を作りたい!

この話をするのには谷口板長の高校時代からのことを話さないと始まりません。
谷口板長は鯖が大好物で、特に〆鯖が好きです。
谷口板長の通っていた高校は、スポーツで有名でしたが勉強は・・・(^^;)。
バスケットボールがやりたくて入学した谷口板長は、厳しい練習を耐え抜かないと何のためにこの学校を選んだのか分からなくなると思い、必死でバスケに打ち込んでいました。
「ワル」ばかりでしたが、他では体験できないこともたくさんありました。
昼休み、ストーブの上は、生いわし、スルメ、干しカレイを焼いて食べるのです。
冬にはなんと!鍋が置かれて鱈汁がおかずになっていました。
そんな教室の光景は、今でも懐かしく思い出します。
それも浜の漁師の息子が多かったからでしょう。鰯もいかも鰈も自分の家の物ではなく路地から頂だいしてきた代物・・・。

谷口板長と仲の良い友達が八戸弁で・・(通訳付き)

「圭介、今日―ワーホーサッ、こねーど」(訳)「圭介今日、俺の家に寄れないか」
「なんがようが」(訳)「何か用事でも」
「ワーホーのオヤジが鯖バ釣ったズー、船で釣ったスケ、ウメエー」 (訳)「俺のオヤジが船で沖に出て、鯖を釣り上げたから上物で美味しいぞー」
「ワガッタ、イグスケ」(訳)「了解、行くから」
「ンデヨーフグロ持って来ネバーワガネエ」(訳)「持たせるのに袋が必要だよ」

バスケの練習を終えて、友人宅へ。
「あがれー圭介、腹ヘッタベーマンマバクッテゲー」(訳)「あがってご飯を食べて行きなさい」
友人の母が
「今まで、学校さイダノガ!ナーンモネンドモ、カーコレコレデケー」(訳) 「今まで、学校にいたの、何もないけどこれでご飯を食べなさい」

出されたおかずはカレイ焼きと〆鯖でした。
カレイは小ぶりの柳カレイで揚げてあり「せんべい」の食感でパリパリ・・骨も食べられました。

卓上に青と白と赤のコントラストが綺麗なお刺身が、〆鯖です。谷口板長には初物でした。
「ウガサヨーケルッタ鯖はヨー コレダスケヨー」(訳) 「お前に渡すと話した鯖はこれだよ」
「カッチャ・・コレシメダノダ?」(訳)「お母さんこれは、〆たのか?」
「ンダドモ、酢はワンツカデー」(訳)「酢につけた時間は少しだよー」
友人とお母さんの話を聞きながら、遠慮なく食べます。
「醤油をつけて食べるのか?」「オーウ」と友人が・・鯖を口に・・

『凄い旨い、とろける!なんだこの味と食感は、すごーい甘さが広がる!!』

その当時、秋になると八戸の港には形の良い丸々と太った真鯖が水揚げされました。今では過去の出来事なのです・・。

友人の家で食べた〆鯖は・・谷口板長の人生を変えました!

谷口板長の「虎鯖刺し」には甘さを加えません。鯖本来の味を楽しむ造りです。

虎鯖

鯖との格闘1

谷口板長は厨房に入り鯖を見ては〆鯖にチャレンジしていましたが、最初は〆る事の意味やゴマ鯖と真鯖の区別も知らないで調理をしていました。
どの鯖でもとりあえず〆鯖になるのだと信じていました。
そんな時です。鯖を知り合いからもらった時のことです。小ぶりだが〆てみようと思い調理して食べたのです...。

その夜のこと。無性に暑い、体が痒い、なんか体が変だ?
起きてビックリです。顔がまん丸に腫れあがり体全体がみみず腫れ状態...即病院です。

そうです、鯖に当たったのです。大当たりでした...。
ヒスタミンに当たったのです。ヒスタミンはアレルギー物質で青魚には必ず含まれていて鯖には多く入っています。
このヒスタミンは温度の上昇で増加しますから、鮮度の保持と調理の工程を低い温度の中で調理して行くことを知りました。

それを知ったのは後からイナダと鯵でも当たり文献を調べて、当たらないようにするにはどうすればと調べたからです。
生の鯖はとにかく早い調理を、冷凍の鯖も解凍後の処理を早くして室温や水の温度を上昇させない工夫をして調理してからは、青魚を食べても当たってはいません。

そして2010年から、水を分解してできる酸性水で消毒をしています。
酸性水は水を分解して精製された水なので体内に入っても当然問題はありません。アルコール消毒より安全です。
厚生省からも消毒の効果は実証されています。
調理は低い温度で手早く、酸性水でよく殺菌をしてから行なっています。

虎鯖

鯖との格闘2

味は長い時間がかかりました。
昔、谷口板長が友人宅で食べた〆鯖の味は、刺身のようで酢の味が少し...どうすれば?
塩をして、酢に漬ける...これで〆鯖が出来る!
やり方は間違ってはいません。

そんな時、車の中のラジオ番組の健康相談で梅の塩分について話がありました。
内容は、「おばあさんが、高血圧で塩分を控えめにと言われたが、好物の梅干ばかりを食べて...」「梅干しは体に良いのでは?しかし塩分が気になる」そんな相談でした。
回答は、「酸っぱい物は、塩分が多い程強く酸味を感じますから、梅の塩分が少ない物を選んで食べて下さい」との内容が返されました。

「そうか、塩分を多くすると酸味が強くなるんだー」これは谷口板長にとって鯖のみそ造りにも共通するヒントになりました。
これで酢を少なくする事を知りました。今まではどっぷり漬け込んで製作していました。
塩を多目に酢は少なく...です。
「虎鯖」は、鯖本来の味がして、柔らかく、酸っぱくない...そんな、〆鯖作りを目指しての作業が続きます。

ここからは、何時間位干すといいのか?干す時間の調整です。 塩を何グラム振り撒いて、何時間風に当てればいいのか...何度やり返したことか、失敗の連続です。
干しがあまいと...ネチャという感じに仕上がります。干し過ぎると硬い感覚で酢が染みこみません。
鯖から水分を抜くと、鯖の味だけが残ります!
塩水を作り鯖を漬け込んで干す事もしましたが...水分量が多くなり、乾燥に時間がかかります...。

そんな事を繰り返しながらの研究の日々...。ネチャ防止の研究です。
ある夏の暑さがこの問題を解決してくれました。
昔と違い、冷房はエアコンが主流です。家電のお店を歩いて気が付いたのです。
「そうだよ...扇風機で強制的に水分を飛ばせばいいんだ!」

どこの魚屋さんでも一夜干しには扇風機で乾燥をさせています。
加工業者ではないホテルの厨房での作業工程...気が付かなかった!

扇風機に気が付いてからは、干す工程と塩の量を固定する決定するのには時間が掛からずに出来ました。
今では、決められた塩の量と、乾燥の時間で製作しています。

虎鯖

『虎鯖刺し』から生まれた『虎鯖焼き』

550g以上の脂の乗った鯖だけを選び、虎鯖刺しと同じ製法で仕上げたものが「虎鯖焼」です。

虎鯖刺しを作る最終工程の酢に漬ける前の状態ですので、使用する調味料は塩のみ。臭みを消す「炭塩」と旨味を引き出す「藻塩」を 使用して、虎鯖同様絶妙の塩加減と干し加減により、身はほくほくと柔らかく、また余分な水分が抜けている事により、鯖の味だけが凝縮して残り、鯖本来の食感・旨味を楽しめます。

骨はすべて手作業で取り除いています。

八戸に秋サバは毎年帰ってきます。その秋サバを大切に調理して「虎鯖」にしてお届けします。

八戸の鯖について「鯖みそ」ものがたり

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